コンタクトレンズと内皮細胞
内皮細胞の数は加齢とともに減少します。またコンタクトレンズの装用によっても減少します。特に、長期間装用した場合やレンズのケアが不適切な場合、酸素が細胞へ十分に行き届かず、内皮細胞の数が大きく減少する可能性があります。
内皮細胞は再生されません。内皮細胞が死滅すると、周囲の細胞が膨張し、その隙間を埋めていきます。内皮細胞の減少は、様々な角膜の病気の引き金になります。重症の場合、角膜が白く濁る 水疱性角膜症 になり角膜移植が必要になる場合もあります。
レーシックの不適応とコンタクトレンズ
内皮細胞の数が1平方ミリメートルあたり2000個以下になると、レーシックは行えません。また、コンタクトレンズの長期間装用は角膜を傷付け、角膜を薄くしてしまうこともあります。角膜の厚みが十分にない場合も、レーシックは行えません。
コンタクトレンズの装用で生じる病気
アレルギー性結膜炎
花粉症などのアレルギー体質の他、コンタクトレンズの装用で生じる病気です。コンタクトレンズが原因の場合は、レンズの刺激やレンズの汚れによって結膜が傷付いて生じるアレルギー反応です。目のゴロゴロ感、目の痒み、目の充血などの症状があります。
アカントアメーバ角膜炎
多くの場合、コンタクトレンズに付着したアメーバ(微生物)が角膜に侵入して起こる病気です。治療しても治りにくいだけでなく、角膜が白濁し、視力が大幅に低下することがあります。
角膜上皮びらん
コンタクトレンズの長時間装用やレンズの刺激によって起こる病気です。上皮細胞層が部分的にとれた状態を「びらん」と言い、角膜の表面を浅く擦りむいた状態です。目のごろつき感、目の痛み、目の充血などの症状があります。
点状表層角膜症
角膜の表面に付いた細かい点状の傷で、表面の細胞が部分的に脱落してしまう状態です。レンズの汚れ、ドライアイ、ケア用品に対する反応など原因は様々です。重症の場合、目の異物感や目の充血などの症状があります。
角膜新生血管
コンタクトレンズの就寝時装用など長時間使用することによって、角膜内に酸素が不足します。足りない酸素を取り込もうとして角膜内に血管が進入します。重症化すると角膜が白濁し、視力障害が起こる場合もあります。