アレグレット・ウェーブ・アイキュー・ブルーライン(Allegretto Wave Eye-Q Blue Line)

アレグレット・ウェーブ・アイキュー・ブルーラインとは

ドイツWavelight社のレーシック手術用のエキシマレーザー機器である、アレグレット・ウェーブ・アイキュー・ブルーライン(Allegretto Wave Eye-Q Blue Line)です。

また、コンチェルト(Concerto)と同様にアクティブ・アイ・トラッカーと呼ばれる眼球運動の自動追尾機能を搭載しており、視力回復手術中の眼球の細かな動きまで追跡してレーザーが照射される仕組みとなっています。

高度な技術

アイキュー(Eye-Q)は、上位モデルのコンチェルト(Concerto)と一部同様の技術が使われています。

レーシック手術の成功のカギは、エキシマレーザーの性能であると言っても過言ではありません。施術を行うのは数マイクロメートルの世界ですから、ごくわずかな差でも視力回復手術後の結果は大きく左右されてしまいます。

ガウシアンレーザービーム

アイキュー ガウシアンビームのスペクトル分布図
アイキュー(Eye-Q)のレーザービームはガウシアンビームが使われており、半値幅は680マイクロメートル(μm)です。この極細レーザーは、角膜切除面をスムーズにすることを可能にしています。

機器メンテナンス時には、レーザービーム精度調整とエネルギー密度調整ができる、世界で唯一のレーシック手術用エキシマレーザー機器です。

機器内部でレーザーが通る経路は、レーザーによって少量のオゾンが発生するため、自動的に窒素で洗浄されます。


ガウシアンビームのレーザー


ブロードビームのレーザー

レーザービームの最適化

アイキュー(Eye-Q)に使われているレーシック手術用エキシマレーザーの発振周波数は400Hzです。つまり、エキシマレーザーが1秒間に400回角膜に高速照射されます。また、2秒/Dの速度で角膜を削ることが可能になります。

高い周波数のレーザーは熱の影響による危険性があります。アイキューのレーザーは、コンピューター制御によって十分な冷却時間が作り出されています。

レーザーのエネルギーは、3つのセンサーによってコントロール・監視されていますので、非常に高い安全性と正確性を兼ね備えている視力回復手術用のエキシマレーザー機器であるといえます。


3個のセンサーによるアイキューのレーザービーム制御

アクティブ・アイ・トラッカー


横軸、縦軸周りの回転運動の制御
6ミリ秒以下の応答速度で、一秒間に400回(400Hz)瞳孔の位置を2次元的に監視し、エキシマレーザーの照射位置を補正しています。

監視可能幅は、1.8ミリメートル〜8ミリメートルです。

監視には、瞳孔と虹彩のコントラストを検出するために、3つの赤外光を使用しています。したがって、レーシック手術中に眼球運動によって多少瞳孔が動いたとしても正確に角膜を削ることができます。

クロスライン・プロジェクター技術


視軸とその周りの回転運動の制御
視軸周りの眼球の回転を制御する技術です。これは、患者様の目が強い乱視であっても治療することを可能にした高度な技術です。

レーザー照射中、患者様が2本の光の交点を見つめることで、反射的に平衡感覚による眼球運動が起こり、その状態で眼球が固定されます。これにより、水平方向と垂直方向の眼球の正しい位置を制御することができます。

アクティブ・アイ・トラッカーとクロスライン・プロジェクター技術により、4次元で眼球を制御しています。


レーザーの垂直方向の制御

カスタムQ技術


非球面性を考慮した切除面
カスタムQ(Custom Q)という技術で、オプティカル・ゾーン(OZ)を4.5mm〜8mmに設定できます。これは、一般的な視力回復手術のみならず老眼治療にも適しています。

非球面係数(Q値)は、患者様お一人お一人で異なっています。角膜は、完全な球面ではなく周辺にいくほど平坦な非球面になっています。視力に影響するのは、球面に近い角膜中央部ですが、周辺角膜も視野に関与しています。

0.25mm刻みで、トリートメント・ゾーン(TZ)が最小となるように調整できます。これは、理想的なOZに限りなく近くすることが可能であるということを意味しています。また、0.01D刻みで屈折入力値を調整することもできます。

機器に内蔵されているコンピューターは、設定値を基に自動的に切除量が最小限になるように計算しますので、より安全で、正確性が高いレーシック手術を実現できます。