レーシックとは

レーシックとは、レーザーを角膜に照射し、屈折力を調整することで近視・遠視・乱視を矯正する画期的な眼科手術です。手術後から、メガネやコンタクトレンズが不要となる、快適な裸眼生活がはじまります。

レーザーで視力回復

レーシックは、高精度のレーザーで視力を矯正する視力回復手術で、近視だけでなく、遠視や乱視も治療可能です。高い安全性と効果から近年注目を集め、全世界では毎年数百万人の方々がレーシックにより視力回復を実現しています。

レーシックはこんな手術

レーシック手術ではフラップと呼ばれるフタを初めに作成します。角膜の上層部であるフラップをめくって、その下にある角膜実質にエキシマレーザーを当てて屈折力を調整します。角膜は眼の一番外側にあり、光を取り込みます。光が角膜や水晶体を通過する際の屈折力が、強かったり弱かったりすると、眼の奥にある網膜に焦点を結びません。そこでレーシックでは、網膜に正しく焦点を結ぶように、角膜にレーザーを当てて形を変えます。

レーシックの手順

麻酔

点眼麻酔をし、眼を洗浄。

フラップ作成

マイクロケラトームという器具、またはレーザーで角膜表面にフラップを作成。フラップはフタのようなもので、このフタを開けたところにレーザーを照射して角膜の形を変える。

レーザー照射

レーザーで角膜の形を調整。アイトラッカーという優れた機能が備わっており、手術中に眼が動いても、コンピューター制御によりレーザーは正しい位置に修正される。

フラップを戻す

レーザーの照射時間はわずか数十秒。角膜の形を調整したらフラップを元の位置に戻す。

洗浄

 
最後に眼を洗浄。手術の所要時間は、なんとわずか10分程度。やがて角膜は自然に接着。

レーシックの歴史

術式の発見

屈折矯正手術の発見は、1860年代にさかのぼります。眼に入ったガラスの破片を、取り除いた際に近視が正視化したことがわかり、それがきっかけとなって、角膜の形を変えて光の屈折を矯正し視力を回復する手術方法が研究され始めました。

施術方法の進化

レーシックで使用するエキシマレーザーは1976年にアメリカIBM社によって開発され、当初は半導体などの基盤加工等の工業用として利用されいました。1980年代になりアメリカでエキシマレーザーを使用した屈折矯正手術の研究が進み、フラップを作らず角膜表面にエキシマレーザーを照射するPRKが行われるようになりました。

レーシック術式の確率と厚生省の認可の取得

レーシックは、クレタ大学学長であるイオアニス G パリカリス博士により考案され、1990年にギリシャで世界初のレーシックが行われました。アメリカでは1995年にFDA(アメリカ食品医薬品局)がエキシマレーザーの使用認可を出し、1998年以降レーシックが屈折矯正手術の主流となります。日本においては、エキシマレーザーが2000年1月に厚生省(現・厚生労働省)によってその使用が認可され、安全性が認められたことで広まりを見せました。

レーシックを受けるときに

レーシックに興味がある方や検討中の方は、必ず効果だけでなく手術に伴うリスクも理解すること、そして信頼できるクリニックを選ぶことがとても大切です。

レーシックに向く方


近視や遠視で日常生活に不都合がある。ただしメガネやコンタクトレンズは使いたくない方
ドライアイや美容上の理由からメガネやコンタクトレンズを使いたくない方
職業上、メガネやコンタクトレンズでは不便を感じられる方
視力の悪さが要因と考えられる肩こりや眼精疲労を感じられている方
長期的に見ると、使い捨てコンタクトレンズを使い続けるよりも、レーシックを受ける方が経済的です。ただし、レーシックをおすすめできない場合もあります。

レーシックとコンタクトレンズとのコストの比較

「レーシックを受けるよりも、コンタクトレンズの方が安いので使用している」・・・そんな考えをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか? しかし継続的な購入が必要となるコンタクトレンズと比べると、レーシックは基本的に一度の手術で視力が回復するため、長期的に考えると大変経済的です。また、花粉症の方にとっては特に辛いコンタクトレンズから開放されるなど、費用だけでは比較できないほど大きなメリットがあります。
1Dayタイプのコンタクトレンズを使用されている場合、コストは2年ほどでレーシックを超え、その後も負担は続きます。

コンタクトレンズの危険性

費用面以外でも、コンタクトレンズを使用することによるストレスや眼への負担 、そして万が一の災害時なども考慮するとレーシックは合理的な選択肢であるといえます。

レーシックに不向きな方

20歳未満で、視力がまだ不安定な方
妊娠・授乳中の方
近視度数に対して角膜が薄い方、角膜形状不正の方
眼疾患がある方(白内障、緑内障、網膜剥離、結膜炎などの疾患をお持ちの方はレーシックが受けられない場合があります)
内科的疾患がある方(糖尿病、肝炎、膠原病などの疾患をお持ちの方はレーシックが受けられない場合があります)
※いずれの場合も、適応検査で問題がなければレーシックを受けられます。まずはお気軽に医師またはスタッフにご相談ください。

レーシックを安全に受けるために

眼球の断面図

レーシックは、眼科専門医が適切な手術を行えば、極めてリスクが低い安全な手術です。なお、レーシックは、眼球の表面にある角膜(左図)の屈折力を調整する手術であり、眼球の内部に触れることはありません。

ただし、レーシックは手術ですから、「100%リスクがない」というわけではなく、ドライアイや夜間に光がにじむなどの合併症が起こる可能性がないとはいえません。だからこそ、レーシックを検討する際は、医師やカウンセラーからリスクも含め、十分な説明を受けることが大切です。

また、万一合併症が起こったとしても、経験豊富な医師による早期発見や適切な処置により、そのほとんどが解消・改善します。